前回のドイツ便りで「薬局価格の真実」というキャンペーンについて報告しましたが、9月12日にバーデンヴュルテンベルク、ザールラント、ラインラント-プファルツの3州で薬局のストライキが行われました。ドイツでは薬局は常に市民に薬を提供する義務を負うということで、経営者の都合で勝手に休業してはいけないことになっているそうです。そのため、ストライキといっても、入り口を閉めて、緊急当番用(注:ドイツの薬局は当番制で夜間と日曜・祭日に営業することが法的に定められています)の窓口から薬を提供するということでした。
このストライキについて市民に理解を求めるために出した「我々は抵抗します(Wir protestieren)」という貼紙の要旨は・・・
我々の要求:適正な報酬
- 2004年から‐法律によって‐法定健康保険加入者への要処方箋薬1パッケージ当たり一律8.10ユーロ+購入価格の3%を薬局が得ると定められました。
その8.10ユーロから、現時点では2.05ユーロを健康保険会社に払い戻さなければなりません。
- 被保険者が払う処方箋薬の個人負担(注:薬価の10%、ただし最低5ユーロ、最高10ユーロ)は全て薬局から健康保険会社に渡されています。
- 多くの薬局が経営危機に陥っています。この問題は政府もよく理解しているので、1パッケージ当たり25セント多く支払うという提案がありました。それはよいのですが、それではコストをカバーできません。というのも、
- 2004年を基準にした物価上昇率は14.4%
- (産業別労働組合で定めている)薬局従業員(15万人)の給料は2004年を基準にすると18%アップ
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具体的な要求は25セントではなく、1.04ユーロの引き上げだそうです。
他にも、薬局が個々に掲げたポスターには次のようなことが書かれていました。 -
毎週‐4つの薬局が閉局に追い込まれています。
- 8年間‐仕事は増え、コストは増え、責任も重くなっているのに、収入は増えません。



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